この男、危険人物につき取扱注意!
「何か飲むか?」
木ノ下からの問いかけに、お構い無くと応える千夏だったが、キッチンカウンターに置かれたコーヒーメーカーに目が止まった。
(あれ…?)
「チーフって家ではコーヒー飲まれるんですか?」
「いや、飲まない。どちらかと言えば俺は紅茶派だからな」
「じゃ、なんでコーヒーメーカーなんて…?
もしかして、私のためだったりして?」
「…………」
「…そ、そんな訳無いですよね?アハハ…」
千夏はちょっと冗談で言ったつもりだったのだが、木ノ下の思わぬ沈黙に、かえって戸惑ってしまった。
「……もっもぅー、ひとが冗談言ってるのに変な間あけないで下さいよ!」
(もしかして…彼女の為?
彼女居ないって勝手に思ってたけど…いたんだ…
コーヒー好きな彼女だったら、コーヒーメーカーくらい置いてても不思議は無いよね…)
「うさぎ…」
何か話したそうな木ノ下だったが、冗談だとは言え馬鹿な事を言ったと思った千夏は、木ノ下の話を遮る様に話を続けた。
「…しかし、チーフに彼女が居たなんて、驚きですよ?
私、興味本位で付いて来ちゃいましたけど、大丈夫でしたか?
部下とは言え、他の女を部屋に入れたりして彼女に怒られません?」
「怒られるも何も彼女なんて居ないし、俺は他人を部屋に入れるのは好きじゃない」
(へぇそうなんだ?…え?…じゃ、私は…?)