この男、危険人物につき取扱注意!
ここまで追い詰められては、諦めるしか無いと腹を括った千夏は、心を落ち着かせ坂下が新しく持って来てくれたコーヒーを楽しんでいた。
(ほのかに酸味のあるフルーティーな風味…
なんか…不思議な魅力を感じるコーヒー…ん?…)
「…坂下さん!
これ、さっき飲んだコピルアクじゃないですか⁉︎」
「はい」
(はいじゃ無いですよ…もぅ!)
「チーフ…私、インスタントでも良いから…
他のコーヒーって…」
「あゝそうだったな。
坂下、ネコの糞のコーヒーと違うコーヒーを持って来てやれ!」
「坂下さん、我が儘を言って本当に申し訳無いのですが、ジャコウネコの糞以外でお願い出来ませんでしょうか?」
千夏の言葉に、坂下は呆れたかの様に大きな溜息をつくと話を始めた。
「コピルアクは、ジャコウネコの糞のコーヒーではありませんよ」
「え?だって…ジャコウネコの糞のコーヒーだって…」
「はい。
それは正しくも有り、間違いでもあるんです。
説明しますと…」
「また、坂下の蘊蓄が始まった…
あ、俺ちょっと下っ端の様子見てくる」
「若?」
「お前の話は長いんだよ!
後はうさぎに聞いてもらえ」
(え?チーフ…ひとりにしないで下さいよ!
この人、顔も怖いけど…それより殺気が…)