極上弁護士の耽溺プロポーズ
十二時になると事務所は一旦休業状態になる。

電話も全部留守番設定に切り替え、一切仕事はしないのがここの事務所の方針らしい。

わたしと柊一くん以外はみんなランチに出払ってしまった。

「ああ、おいしいな」

柊一くんはわたしが作ったお弁当を褒めて、本当においしそうに食べてくれた。

柊一くんもいつもは外食をしているらしいけれど、今日はわたしと事務所で手作り弁当だ。

ここの近くにはおいしいところがたくさんあるらしく、わたしも明日はどこか外に食べに行きたいと思いつつ、よかった、と微笑み返した。

すると柊一くんは少しだけ困ったような表情を浮かべる。

「ごめんな、椎葉が雑用ばかり押しつけてるみたいで」

「そんなことないよ。やりがいある。それに柊一くんの働いてるとこ見るの楽しいし。やっぱり弁護士ってかっこいいね」

柊一くんは苦笑いした。

「かっこよくはないだろ。弁護士なんて泥臭い仕事だ」

「けど柊一くんは正義感を持って仕事してるでしょ。椎葉さん言ってたよ、柊一くんは弁護士としての理念をしっかり持ってるって」

「光希の一言で決めた仕事だからな。光希をがっかりさせたくない一心でやってるだけだ」

柊一くんの言葉に、わたしはぱちぱちと瞬きをした。

「え?」

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