極上弁護士の耽溺プロポーズ
「……は、早く食べないともうあんまり時間ないねっ……」

わたしは逸る鼓動を押し隠すようにはにかんで、お弁当の残りに箸をつけた。

いつの間にか十三時の始業まで十五分を切っていた。

「そういや光希、椎葉にいびられてないか」

「え?」

「あいつ、ずけずけものを言うだろ。仕事はできる奴なんだけど性格に難がありすぎる」

打って変わって苦々しい表情になった柊一くんに、わたしは思わず噴き出してしまう。

「あははっ、椎葉さん、柊一くんにも結構言うよね」

「あいつ、俺より長くここにいるからな。俺よりひとつ年上なんだよ」

「そうなんだ」

「ああ。どうにかできるかはわからないが、何か言われたら俺に言えよ」

わたしの脳裏をふと、先刻の話がよぎった。

「あ、そういや椎葉さんがね、わたしのことを柊一くんのベッドで見かけたことがないタイプだって言ってたよ」

わたしにとっては笑い話のようなつもりだった。

だって当然だ。自分は見た目も中身も平凡だ。

けれど柊一くんは不愉快そうに片眉を吊り上げた。

「なんだそのくだらない嘘は」

「嘘?」

「ああ。俺は自分の部屋に光希以外を連れ込んだことはない」
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