白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)
 
「本当に
 入って大丈夫なんだよね?」


 学園の門を恐る恐るくぐる
 俺とは対照的に
 目を輝かせてルンルン気分の一颯。


「だから
 大丈夫だって何回も言ってるじゃん」


「だって、俺
 髪こんな色だよ。

 目立つでしょ?」


「この学園は
 似合えばどんな髪の色をしてようが
 問題ないから。

 ほら、あそこに緑の髪の人もいるだろ?」


 た…… 確かに……


 水色の髪の俺と同類を見つけ
 ちょっとは落ち着いた俺の心。


 一颯は昇降口で靴を脱ぎ
 迷いなくスタスタと歩いていく。


 そして階段を上り3階に着くと
 ピタっと止まって俺の方を見た。


「十環、ちょっと待ってて。

 学園に着いたら
 学園長に挨拶することになってるからさ。

 俺だけ、行ってくる」


 そう言って、一颯は
 長い廊下をどんどん歩いて行った。

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