白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)
階段に座り
横の壁にもたれながら
気持ちよさそうに寝ている。
待って! 待って!
俺のこの気持ちって、なに?
一瞬で瞳を奪われた。
そしてこのままずっと
この眠り姫を見ていたいと
思ってしまった。
今まで生きてきた中で
こんな感情になんかなったことがなくて
自分のこの状態が理解できない。
でも、素直に思うのは
この眠り姫が目覚めたとき
俺だけに笑いかけて欲しいってこと。
そんな切ない気持ちが
俺の心にフッと優しい風を吹かせたとき
眠り姫の頭が
壁とは反対側に大きくコクっとなった。
え?
倒れそう!
そう思った時には
階段を駆け上がり
両手で眠り姫の肩を支えていた
支えていた肩が大きくビクッと揺れ
眠り姫の瞳がパチッと開いた。