【短編】澱(おり)
私のことが好き?
圭吾の言葉に、ひどく混乱する私。
「何言ってるの? 好きだったのは、昔の話でしょ?」
「昔とか今とか、そんなん俺だってもうわかんねぇよ!」
今度は圭吾が大きな声を出す。
圭吾は、それから一呼吸置き、真っ直ぐに私を見た。
「なぁ、俺ら、ちゃんと始め直さないか?」
「……え?」
「色んな順番がめちゃくちゃだけど、そんなのもう全部なくして、俺は沙奈のこと好きだから付き合いたいと思ってるよ」
付き合う?
私と、圭吾が?
「バカ言わないでよ。私たちの過去が、そんな簡単になくなるわけがないじゃない。おばさんとお父さんのことだってあるのに、私たちが付き合うなんて」
「だったら俺らは一生、苦しんでなきゃいけないのか?」
え?
顔を上げたら圭吾と目が合った。
「付き合って、どうしてもダメだったなら仕方ないよ。それはその時に考えればいい。でも、もしかしたら、俺らはふたりでなら、乗り越えられるかもしれないだろ」
ふたりでなら、乗り越えられるかもしれない。
「憎み続けるよりも、あいつらより幸せになって見返してやろうって思う方が、ずっとよくないか?」
父と圭吾の母より幸せになって、見返す?
そんなこと、考えたこともなかった。
圭吾の言葉に、ひどく混乱する私。
「何言ってるの? 好きだったのは、昔の話でしょ?」
「昔とか今とか、そんなん俺だってもうわかんねぇよ!」
今度は圭吾が大きな声を出す。
圭吾は、それから一呼吸置き、真っ直ぐに私を見た。
「なぁ、俺ら、ちゃんと始め直さないか?」
「……え?」
「色んな順番がめちゃくちゃだけど、そんなのもう全部なくして、俺は沙奈のこと好きだから付き合いたいと思ってるよ」
付き合う?
私と、圭吾が?
「バカ言わないでよ。私たちの過去が、そんな簡単になくなるわけがないじゃない。おばさんとお父さんのことだってあるのに、私たちが付き合うなんて」
「だったら俺らは一生、苦しんでなきゃいけないのか?」
え?
顔を上げたら圭吾と目が合った。
「付き合って、どうしてもダメだったなら仕方ないよ。それはその時に考えればいい。でも、もしかしたら、俺らはふたりでなら、乗り越えられるかもしれないだろ」
ふたりでなら、乗り越えられるかもしれない。
「憎み続けるよりも、あいつらより幸せになって見返してやろうって思う方が、ずっとよくないか?」
父と圭吾の母より幸せになって、見返す?
そんなこと、考えたこともなかった。