しあわせ食堂の異世界ご飯6
「はい」
 シャルルひとりに任せてしまったことに気づき、エマは慌てて仕事へ戻った。

「レオン君、いらっしゃい。グラタンお待たせしました!」
「ありがとうございます、シャルルさん」
 運ばれてきた熱々のグラタンに目を奪われつつ、レオンはシャルルを見る。
「大人気ですね、グラタン」
「そうなんですよ~。最近は、グラタンのために早朝から並んでくれている人もいて、最初の五十人で売り切れたときはびっくりしましたもん」
 だから、五十人以上が並んでいたらあきらめて帰る人もいるぐらいなのだ。
 そんな話を聞いてしまい、レオンの中でグラタンへの期待がどんどん高まってくる。目の前にあるこの料理は、いったいどんな幸せをくれるのか――と。
「それから、先ほどいただいた菜薬草、アリアがとっても喜んでいましたよ。ありがとうございます!」
 アリアはとても喜んだのだが、さすがに手が離せないのでひとまずシャルルにお礼の伝言をお願いしていた。
 今はもう、早く使ってみたくてうずうずしている。
「いえいえ、どういたしまして。アリアさんなら、美味しく料理してくれるかもしれないと思って」
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