しあわせ食堂の異世界ご飯6
「まずはひとつ、っと!」
「へえ、けっこう手軽に作れるんだな」
 作業工程を見ていたカミルが早速具材に手を伸ばすが、不器用だからか、慣れていないからか、ご飯の上に載せた具材が落ちてしまう。
「思ったよりも難しいな、これ……」
「しかも数を作らないといけないから、けっこう大変なんだよね。でも、できあがったら見た目が可愛いのもあってすごく達成感があるよ」
 頑張れ頑張れと、アリアはカミルを応援する。
(そういえば、林檎の飾り剥きも苦戦してたっけ……)
 カミルは気づけばできるようになっているので忘れがちだが、ひとりで練習していることも多い。
 料理の腕はまだまだアリアに追いついていないが、その努力だけはアリアに匹敵しているか、時間だけならそれ以上だ。
(私も負けてられない!)
 アリアも闘志を燃やしながら、手毬寿司作りに没頭していった。

 ***

 ――同時刻、王城。

「もし弁明があると言うなら聞くが、どうする?」

 冷ややかなリベルトの声が向けられたのは、大きく目を見開いたライナス。リベルトが持つ書類を目にし、「馬鹿な」と呟いた。
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