しあわせ食堂の異世界ご飯6
「これは、ロスタン公爵が私に使った毒物のリストだ。ああ、まさかこんな毒まで使っているとは思わなかった。このときは三日も寝込んだんだ。私でなければきっと、死んでいただろうな?」
「…………」
 リベルトが手にしている書類は、今までライナスが行ってきた悪事のすべてが記されているようなものだった。
 自分が皇帝になるためにしてきたこと――と言ったほうが、正しいだろうか。
 ずららっと書かれている品名は、毒物の名前。
 使い方や効果だけしか書かれていなければ証拠にはならなかったかもしれないが、これにはいつ、どの毒をどれだけ対象に使ったかも記されていた。
 ある意味、毒に関する事件記録も兼ねていたのかもしれない。
 対象はもちろんリベルトだけではなく、前皇帝やその周囲の記録も残っていた。
 今は亡きリベルトの母に毒を仕込んだというものを見たときは、いっそ殺してやろうかと思ったほどだ。
 リベルトの後ろに控えていたローレンツが、ライナスの腕を掴む。
「さあ、この悪事をすべて認め法による裁きを受けてください。……ああ、あなたの派閥の貴族の屋敷には、すでに騎士と兵を送っていますから助けはきません」
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