しあわせ食堂の異世界ご飯6
「――っ!」
それを聞いたライナスは、本来であれば犯人に向かって殴りかかりたい衝動にでも襲われていただろう。
けれど、そんなことはできなかった。
剣を突きつけられていることなんて忘れてしまったかのように、ライナスは俯く。磨かれた自分の靴が目に入り、そういえばこの靴はリズベットがプレゼントしてくれたもので、ここぞというときにいつも履いていたものだとぼんやり思い出す。
俯いたまま、ライナスは口を開いた。
「リズ――リズベット。どういうことだい……?」
「お父さま……」
そう。ライナスが名前を呼んだ通り、ライナスの悪事の証拠を集め、リベルトに渡したのは彼の最愛の娘であるリズベットだった。
リズベットがリベルトと婚約したのは、自分の父親が〝いけないこと〟をしているということを知ってしまったからだ。
周囲から少しずつ、怪しまれないようにリベルトと父親の話を聞いた。中には隠し立てもせずに、父親が毒殺を試みるひどい奴だと言う者もいた。
まさかそんな、自分の父親がリベルトに毒を盛るはずがない。最初は無実の罪を晴らそうと思い、ライナスの部屋を調べたのが始まりだった。
それを聞いたライナスは、本来であれば犯人に向かって殴りかかりたい衝動にでも襲われていただろう。
けれど、そんなことはできなかった。
剣を突きつけられていることなんて忘れてしまったかのように、ライナスは俯く。磨かれた自分の靴が目に入り、そういえばこの靴はリズベットがプレゼントしてくれたもので、ここぞというときにいつも履いていたものだとぼんやり思い出す。
俯いたまま、ライナスは口を開いた。
「リズ――リズベット。どういうことだい……?」
「お父さま……」
そう。ライナスが名前を呼んだ通り、ライナスの悪事の証拠を集め、リベルトに渡したのは彼の最愛の娘であるリズベットだった。
リズベットがリベルトと婚約したのは、自分の父親が〝いけないこと〟をしているということを知ってしまったからだ。
周囲から少しずつ、怪しまれないようにリベルトと父親の話を聞いた。中には隠し立てもせずに、父親が毒殺を試みるひどい奴だと言う者もいた。
まさかそんな、自分の父親がリベルトに毒を盛るはずがない。最初は無実の罪を晴らそうと思い、ライナスの部屋を調べたのが始まりだった。