しあわせ食堂の異世界ご飯6
 それなら、いっそ――すべての罪を自分がかぶろう。
 ライナスは静かに、自分がいつも奥歯に仕込んでいたものを噛みくだいた。

 ***

 じゃっじゃーん!と手を広げて見せびらかしたくなるような光景に、アリアとカミルはにんまり笑う。
「最初に作ったのはいびつだけど、最後の三つはかなり力作になったと思う!」
「うん、よくできてるよ!」
 机の上に並べられたのは、たくさんの手毬寿司だ。カミルが言った通り、かたちが悪いものもあるが……まあ、食べてしまえば味は一緒。

 本日のメニュー、『菜薬草のひと口手毬寿司』の完成だ。
 これを食べれば疲れが取れて、今日の夜はゆっくり熟睡することができるだろう。
「よーし! もうすぐレオン君もくるだろうし、そうしたらみんなで食べよう」
「まだ時間があるし、もう一品肉料理があったらいいんじゃないか? ほら、レオンは食べ盛りだし」
 うきうきしているアリアに、カミルはもっと料理を作ろうと提案する。レオンは育ち盛りの男子なので、肉も必要だと判断した。
 アリアは、すぐさまぐっと親指を立てる。
「採用!」
< 112 / 160 >

この作品をシェア

pagetop