しあわせ食堂の異世界ご飯6
 自分ではこんな調理方法は思いつきそうもないので、ただただ感心するばかりだ。

 恍惚とした表情で食べるレオンを見て、気に入ってもらえてよかったとアリアは胸を撫でおろす。
 レオンはしばらく手毬寿司の余韻に浸ってから、アリアを見た。
「とても美味しかったです、アリアさん! 料理でこんなに幸せな気分になれるなんて、本当にすごい……。ありがとうございます!」
 目をキラキラさせて告げるレオンに、アリアは「私こそ」と礼を言う。
「珍しい食材だったから、私も張り切っちゃった。喜んでもらえてよかった」
「もう、それ以上です……! 体にいいけど苦くて好まれていないアメノ草がここまで美味しくなるなんて、革命と言ってもいいかもしれません!」
 まさかそこまで大きく言われるとは思っておらず、アリアは目を見開く。大袈裟だと言おうとするが、しかしこの世界の医療レベルを考えると……どうだろうか。
(私は日本での治療を経験してるけど、ここではそれよりずっと下のレベル)
 地方の村に行けば、まじない師が医者をしているところだってある。それは魔法と薬草を使ったものなので、効果はしっかり保証されているけれど。
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