しあわせ食堂の異世界ご飯6
(でも、リズちゃんが私に助けを求めにきてくれてるのに)
 なにもできない、なんて。
 その小さな手を振り払うようなことはできない。考えろ、考えろと思考を巡らせる。
 そんなとき、ひと筋の光を見出したのはカミルだった。
「アリア、確かレオンからもらったハレル茸に毒の浄化作用があるんだろ!?」
「それ!! ナイス、カミル!!」
 急いで厨房へ戻り、まだ使っていなかったハレル茸を取り出して調理する。
 隣では、カミルが鍋を準備したりと手伝いを買って出てくれた。
 毒で倒れているということなので、飲みやすいようスープにしていく。ハレル茸は細かく切り、一緒に飲み干せるようにすることも忘れない。
 塩のみの簡単な味つけだが、こったものにしている暇はない。これを食べれば、ひとまずの応急処置にはなるだろう。
「リズちゃん、ライナスさんのところに行くよ!!」
「はいぃっ」
 リズに怪我がないことを確認したシャルルがその手を引いて、アリアたちは急いでライナスを助けるべく王城へ向かった。

 ***

「……リズベット様を追わなくてよかったのですか? リベルト様」
「私が追っても、どうしようもないだろう」
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