しあわせ食堂の異世界ご飯6
 年の割には童顔で、すらりとした体型は青年と言ってもいいくらいだ。実際はもう二十七歳なので、その点が本人にとってはコンプレックス。
 現状アリアとの面識はないのだが、ルシオはライナスの側近を務めている優秀な人間だ。

 しあわせ食堂には、九割以上が女性で構成された列ができていた。ルシオのように何をしているのかわからず、列に並ばず周辺で様子を窺っている人も多い。
 その人だかりを割りながら、しあわせ食堂の前までやってきた。
「あの、これはなにをしているんですか?」
 ルシオが店の前にいたカミルに話しかけると、『ケーキバイキング/三〇〇〇レグ』と書かれた看板を指さしながら説明をしてくれた。
「特にお知らせはしてなかったんですけど、試験的にケーキバイキングというものをやってるんです。六十分間、店内にあるケーキが食べ放題です。飲み物は水かミルクがあります」
「え、食べ放題……!?」
 衝撃的なワードに、ルシオはカッと目を見開く。
 大好きなしあわせ食堂が食べ放題をしている? しかも、そのメニューは今まで食べたことのないケーキだというから、そこもまた驚きだ。
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