婚約破棄された悪役令嬢は、気ままな人生を謳歌する
「ごめんね~。もう、なくなってしまったの」
ララが、申し訳なさそうに柵越しにダニーに謝る。
だが、ダニーは無表情のまま、ぬっと手を差し出してきた。
「どうしましょう、アンジェリ―ナ様」
(そうだわ。ひとつ、残っていたはず)
閃いたアンジェリ―ナは、「バーベキュー師匠、ちょっと待ってて」と言い残すと、急いで塔の中の自室に向かう。戻ってきた彼女は、生成り色の麻袋を手にしていた。
そして、それをダニーに差し出す。
「な、なんですかこの悪臭は……?」
袋から放たれる異臭に、鼻をつまんだララが一歩退いた。
「バーベキュー師匠。それは、特別なフルーツよ。食べると案外美味しいらしいうえに、いざというときには武器にもなるわ」
ダニーは顔色ひとつ変えないまま頷くと、アンジェリ―ナの手からそれを受け取った。そして、小走りに去って行く。
「ええっ、少年! 本当にそれでいいの!? ていうかアンジェリ―ナ様、あの中、何が入ってるんですか?」
「フルーツの王様よ」
そう言って、アンジェリ―ナはララに向けてにっこりと微笑んだのだった。
ララが、申し訳なさそうに柵越しにダニーに謝る。
だが、ダニーは無表情のまま、ぬっと手を差し出してきた。
「どうしましょう、アンジェリ―ナ様」
(そうだわ。ひとつ、残っていたはず)
閃いたアンジェリ―ナは、「バーベキュー師匠、ちょっと待ってて」と言い残すと、急いで塔の中の自室に向かう。戻ってきた彼女は、生成り色の麻袋を手にしていた。
そして、それをダニーに差し出す。
「な、なんですかこの悪臭は……?」
袋から放たれる異臭に、鼻をつまんだララが一歩退いた。
「バーベキュー師匠。それは、特別なフルーツよ。食べると案外美味しいらしいうえに、いざというときには武器にもなるわ」
ダニーは顔色ひとつ変えないまま頷くと、アンジェリ―ナの手からそれを受け取った。そして、小走りに去って行く。
「ええっ、少年! 本当にそれでいいの!? ていうかアンジェリ―ナ様、あの中、何が入ってるんですか?」
「フルーツの王様よ」
そう言って、アンジェリ―ナはララに向けてにっこりと微笑んだのだった。