二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて番外編『京都の夜』
 向かいの椅子に座ろうとすると、靭也は自分の腿を叩いて「そっちじゃなくて、こっち」と言う。

「まだ酔っぱらってる? 重たいよ、上に乗ったら」

「いいから」有無を言わせずに浴衣の袖を引っぱる。

 言われたとおり靭也の前に行くと、腰に手が周ってきて引き寄せられ、背中から抱きしめられた。

 こうやって後ろから抱かれるのが、夏瑛は好きだった。

「早くこうしたかったよ、今日一日ずっと」
 
 夏瑛の背中を覆う、まだ少し湿った長い髪を靭也はひとまとめにして片側に寄せる。

 そして、あらわになった首筋に唇を落とした。

 振りかえると、今度は音を立てて頬にキスしてきた。

 それから耳朶(みみたぶ)を軽く噛まれる。

 そんな軽い戯れに、甘酸っぱい気分が増してくる。
 
 靭也は夏瑛を立たせてから、その手を取って立ち上がった。
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