ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Reina's eye ケース7:心配性な溺愛ホームドクター
【Reina's eye ケース7:心配性な溺愛ホームドクター】
私とお兄ちゃん・・・ナオフミさんのミライが大きく変わってしまうアクシデントが生じたのはナオフミさんに手作りの挽肉オムレツをご馳走になったあの朝から1週間位が経過した頃。
その日も朝だった。
そのアクシデントが起きるまでの1週間。
彼は相変わらず仕事中心の生活
私は祐希の育児中心の生活
彼がお兄ちゃんという存在だった頃と全く同じ生活をしていた。
彼に言われた通り、婚姻届にも自分の名前を書き入れていたけれど
それをふたりで区役所に提出しに行くような機会を持つことができない
・・・そんな忙しい生活
あの浜松で過ごした甘い時間も
彼が夜中まで病院から呼び出しがかかるぐらい忙しすぎて、あれっきり全くない
・・・そんな甘さlessな生活
生活している中でのすれ違い
・・・ないといえば嘘になる
寂しくない
・・・そうじゃないというのも嘘になる
でも、ほんの少しの時間でも、彼の時間が許す限り
彼は私や祐希にちゃんと向き合ってくれる
そんなスタンスも以前から変わってない
“大事にされている”
彼のそんな態度からそう感じ取ることができていた私は
寂しいという自分の気持ちを誤魔化していても
彼に対して不満という感情を持つことはなかった。
「さあ、お天気いってみましょう!実夏ちゃーん♪」
「ハーイ、お天気です!今朝の東京は、最低気温マイナス1度とかなり冷え込みました!午前中は晴れていますが、昼すぎからは雲が広がってきそうです。今日のお天気です。東日本では」
TVをつけていたが、それを凝視する暇がないぐらい慌ただしく、朝食のベーコンエッグとサラダを作っていた私。
『東京マイナス1度だって。名古屋も今朝寒かったもんね・・・祐希にもう一枚上着を着せたほうがいいかな?あれ?・・・・祐希?』
TVのニュース番組のお天気コーナーの情報を耳にしたことによって
私は祐希に着せている衣服の枚数が適切であるのか気になり、即座に祐希の姿を探した。
さっきまでリビングに設けてある彼のおもちゃ、絵本スペースに目をやったが、そこに彼の姿は無い。
彼を探す視野をもう少し拡げてみたところ
『祐希!危ないから、そこ登っちゃダメよ!』
リビングの床面よりやや高くなっているベランダの敷居によじ登ろうとしていた祐希の後ろ姿が突然目に入ってきた。
『もう~しょうがないな・・・ベランダに落ちちゃ危ないから。』
渋々、調理していた手を止め、ベランダに向かった私。
祐希は私の声かけだけでは動きを止めようとしておらず・・・
『危ない!!!!』