ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
『手術になったんだな・・・』
「手術って、伶菜ちゃんが?」
『そうみたいです。』
「ちょっとカルテ見せて・・・って・・・ガラス?怪我?!」
さっきまで、お盛んって盛り上がっていた人と同一人物とは思えないような心配そうな顔を浮かべる福本さん。
『そうです。』
「あ~、横文字が並んでいて、よくわかんない!!!!」
『整形外科の専門用語ですから・・・』
「でも、ナオフミくん、医者なんだから、書いてあることわかるでしょ?」
『・・・詳細はわからないです。正直なところ。』
妊婦さんが
風邪をひいても対応する
お腹が痛くても原因を探れる
さっきみたいに喘息発作だって服薬調整する
ふらつきを感じると言われたら、貧血なのか脳疾患なのか三半規管障害なのか循環器疾患なのか考える
でも、怪我は・・・
整形外科の医師に依頼することしかしていなかった
『情けないですよね・・・医者なのに。』
だから、電子カルテに記載されている内容を
正確に把握することができない
専門的な内容だから仕方がない
自分の専門外だから仕方がない
いつもならそう割り切ることができるのに
『俺はまた繰り返してしまうんですね。』
伶菜のために役に立つことができない
そんなことを繰り返している自分にがっかりせずにはいられない
『伶菜を治療できるのは自分ではないということを・・・』
今、すぐに伶菜のために役に立つことができそうな人間が
彼女に好意を寄せている人間であることに気がついたことにも・・・