ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
「幸せボケ・・・じゃなかったかしら?」
『・・・すみません。』
「いいのよ。ナオフミくんのそういうメンタル状況を見越して、あたしが処置の介助に付いたんだから。」
『・・・ホント、すみません。』
「で、まだ、あたしに言うことはないの?』
医師としてちゃんと機能していないことは謝罪した
それ以外に福本さんに言うこと
それは
『・・・手術室、行ってきてもいいですか?』
「なんで?」
『伶菜の・・・伶菜が心配で。』
俺が医師として機能しきれていない要因から
目を逸らしたままではいけないということを
はっきりさせるため
そして
彼女のパートナーとして
彼女を傍で支えてやりたいという想いを
はっきりさせるため
「正答ね。でも、執刀医に許可得なきゃだめよ。」
『ハイ。行ってきます。』
「こっちは任せて。なんとか回すから。」
『お願いします。』
勤務中に不謹慎だとわかっていながらも
事情を知っている福本さんに甘えた。
怪我をして心細いであろう伶菜の傍に居てやりたいという
俺の想いを最優先させるために。