ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



「おっと、お嬢さん、真剣に悩んでるねえ。若者は悩んで悩んで大きくなるぞ!なっ、レ・イ・ナ♪」


森村医師は手術時に被っていたと思われる少々汗が滲んだ緑色の帽子を人差し指にひっかけてクルクルっと回しつつ軽く顎を引き上げて私を見下ろしながらそう呟いた。


『・・・・・・』


やっぱり私のため、なんかじゃないよね?
私をからかうことで私の反応の変化を面白がってるだけだよね?


うーーこの男ぉ~


『本当に放っておいてください!!!!』

「放っておけないもんね♪俺、キミの主治医だし♪明日からリハビリ始まるし♪死ぬ気でリハビリやれよ。キミのリハビリ成績が悪いと、執刀した俺までがヤブ医者呼ばわりされるからな!頼むぜ!それじゃ、俺もそろそろ行こうかな。今から外来診察しなきゃいけねーしな。また、来る!じゃあな、レイナ♪」


またもや自分の感情をさらけ出してしまった私に
森村医師はいかにも彼らしい軽い口調でそう言い放った後、サッサと病室を後にした。

やっぱり、私をからかってるだけだったよッ!

しかもレイナって呼び捨て?!
ナオフミさん以外の男にそう呼ばれるの
あり得ないからっ!!!


なんか軽い男だよね?
ジェントルマンなナオフミさんの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいッ!


本当に許せない、あの人!
絶対リハビリを完璧にやって
アイツに文句を言わせずに
絶対ギャフンと言わせてやるんだからッ!!!!!!!

そして私は包帯でぐるぐる巻きにされた左手を右手でさすりながら、居なくなった彼の代わりに彼が出て行った出入り口のドアを暫くの間ギッと睨み続けていた。




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