ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
ピッ!
私のすぐ隣から聞こえてきた通話ボタンを押す音。
「ハイ、森村先生の携帯です。・・・ハイ、スミマセン、ここに居ます・・・そうですね、あと10分は居座りそうな雰囲気ですが、なんとか2分でそちらに向かわせますから・・・すみません・・・・・ハイ・・・転倒による第5中手骨開放骨折ですか・・・伝えておきます。それじゃ。」
さっき森村医師が放り投げたものを思われる携帯電話を松浦先生が彼の代わりに耳に当てて申し訳なさそうな表情でかかってきた電話に応対していた。
「森村先生。」
「わかってるよ、あと2分な。」
携帯電話を指差しながら森村医師の名を呼んだ松浦先生。
それに対して森村医師は渋い表情をしながら右手であと2分を示すピースサインを作ってみせてから、今度はギプスをはめている若いお兄さんのところへ向かった。
「山崎クン、今、手術してまだ1週しか経ってないよね?まだ左ひじは動かしちゃダメだけど肩関節を硬くしないように右手で左腕を支えながら肩の運動しておけな。松浦クン、アドバイス宜しく!」
「は~い。肩ね。」
「あと、入院してないからって彼女と夜仲良くするのはしばらくダメ!左手をベッドの上に強くつかれたりしたら、せっかく骨をワイヤーで固定したのにまたズレちゃうのイヤだしな・・・・彼女に“欲求不満だっ”て文句言われるなら俺んとこに来いと言っておいてくれ。山崎クンの代わりに俺が相手してやるから♪遠慮はいらんぞ!」
「フッ!先生に彼女預けるのだけは勘弁!お下品さが感染しちゃうし!かといって松浦先生に預けたら彼女、俺のところに二度と戻って来なそうだしね・・・・」
「失礼だな、俺は女子の前では上品だぞ!しかも松浦クンよりか俺のほうがベッド上でのテクニックは上だ!間違いない!!!!」
少々いや結構下品とも取れる言葉も口にしているのになぜか真面目な顔をしている森村医師。
そんな彼をバッサリと斬る受け答えをした左腕ギプス姿の若いお兄さんと彼とのやりとりにおいても周りにいた人達は皆、笑いを隠せなかった。