ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Reina's eye ケース12:アメとムチ?!

【Reina's eye ケース12:アメとムチ?!】




手術翌日、松浦先生と私とのマンツーマンでのリハビリが始まった。


松浦先生は手始めに、まずは熱を加えると柔らかくなる特殊なプラスチックを用いて手首と指の付け根の関節のみを固定できるような固定器具を手際よく作ってくれた。

どうやら、その器具によって固定されている手首と手指の付け根の関節以外の関節を頑張って動かす・・・それが私が死ぬ気で取り組むべきリハビリらしかった。


手術にて縫われた薬指と小指の屈筋腱という筋が再び切れないよう、指を曲げるのは松浦先生がやってくれて、指を伸ばすのは自分の力でやる

そんな簡単なリハビリなのに
手術で縫ってもらった屈筋腱というものが引きちぎれるんじゃないかと恐怖心に襲われて、そんな簡単なことが自分の思うようにできなかった。




“キミのリハビリ成績が悪いと、執刀した俺までがヤブ医者呼ばわりされるからな!”


そんな自分の頭をまたまた過ぎってしまった森村医師の言葉。


恐怖心だけでも精神的に追い込まれてきてるのに、その言葉のせいで更にプレッシャーという目には見えない敵にまで私は追い込まれていた。



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