ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Reina's eye:ケース14:鈍感な私の第6感

【Reina's eye:ケース14:鈍感な私の第6感 】



小児科デイルームでの少女と看護師さんの会話を聞いている途中でいたたまれなくなり、祐希のいるプレイルームへ移動し始めた私。


病棟の一番奥にあるらしいもうひとつの大きめのプレイルームまで続く廊下を歩いていく間、赤ちゃんらしき激しい泣き声やら大部屋でおしゃべりとする男の子と女の子の声やら、そして検査予定らしき内容を伝える医師らしき声など・・・いろいろな声が聞こえてきた。


それらを耳にした私は祐希が東京の病院で手術し、そこの小児科病棟で過ごしていた日々を想い出した。



その頃の私

祐希のお世話やら彼の状態を見守ることに精一杯な状態で、今のように自分から周りの様子に耳を傾ける余裕なんてないぐらい必死だった私

その頃を想い出すのは本当に久しぶりで
思わず泣きそうになった私



辛かった日々だけど、


祐希の執刀医だったナオフミさんのお父さんである東京の日詠先生

生まれたばかりの祐希のお世話に不安があった私を親切に一から教えて下さったNICU(新生児集中治療室)の看護師さん達

電話の向こう側で励ましてくれた福本さん、東京までわざわざお見舞いに来てくれた真里

そして、くじけそうになった時、ほんの短い時間だったけれどちゃんと傍にいてくれた居てくれたナオフミさん


ひとりぼっちだと思っていた自分なのに
そんな人達にしっかりと守られて過ごしていた日々


それは私にとって
自分が強くなるためのかけがえのない日々だった






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