ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
でも、こんな自分に変えてくれたのは
『仕方ないな。どうせ昨日の夜、遅くまで引越しの荷造りでもしていたんだろう・・・』
伶菜の存在あってこそだろう
生殺し状態に陥っても
彼女の今の穏やかな寝顔を守ってやりたい
こういう守り方も大事にしないとな
『でも、一応、初夜ってやつなんだから、せめてコレぐらいは、よしにしてくれるよな?』
そう言いながら彼女の綺麗な曲線を描いている鎖骨の上に落とす。
さっき途中でやり損ねた深いキスを。
『っていうか、こんなコト、したことない。俺だって、されるのが嫌で、やらなかったクセに・・・』
唇を介して伝わって来る彼女の体温に
余計に彼女を欲しがる自分がいると自覚してしまう。
『何、やってるんだ、俺は。』
彼女を起こして抱こうなんてダメだと警鐘を鳴らす心に反して、いつでもそう行動できるような反応をし続けるカラダのせいで、
俺は朝陽が差し込むまでずっと、
目をグッと瞑ったり
ふうっと息をついたり
伶菜に背を向けて腹に力を入れたりと
スヤスヤと眠っている伶菜を起こさないように気をつけながら布団の中で静かにもがいた。
ついでに、朝方に何度か震えた携帯電話も仕事用の携帯電話じゃないから大した用じゃないだろう・・・とスヤスヤとカワイイ寝顔で眠る彼女を起こしたくない俺はそれをさっさと放置しておいた。