ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
そして、カーテンの隙間からうっすらと差し込む朝陽の光で、長い夜が終わったと思った矢先。
掛け布団が微妙に引っ張られながら揺れる。
起きたのか?と思い、驚かせてはいけないとつい目を閉じると、掛け布団が目を覚ましたらしい伶菜によって勢いよく捲り上げられた。
暖房が効いているといえども、布団をかぶった温かい状態から一気に寒さを感じ目を開けてしまった俺。
かろうじて下半身は布団がかかったままだったが、それでも上半身裸な状態。
そういう状況は俺だけじゃなく、バスタオルを体に巻きつけただけの格好の伶菜も。
でも、彼女は寝起きなせいか、寒さよりも、
『朝から、忙しそうだな・・・』
「お兄ちゃん!」
『おはよ。』
「あ、あの・・・・お、お、オハヨウゴザイマス・・」
お互いに肌を露出している今のこの状況に慌てふためいている様子。
しかも、言葉を噛みながら昨晩の様子を確かめようともしている。
一緒に暮らしてきたこともあってか、こういう彼女は想定内。
だから、一応、余裕な顔して向き合えている。
でも、
「その~、お兄ちゃんと・・・ヤってしまった覚えがないんですけど・・・」
『・・・・・・・・・・』
ここまではっきりと聴いてくることは想定外。
実際のところはどうだったか?なんて申し訳なさそうに聴いてこられると、
『伶菜の寝顔って、変わんないよな・・・・』
ついつい事実をそれとなく伝えてやりたくなる。