ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



あきらかに返答に困っている美咲

俺の私的な事柄で後輩を困らせてしまっている
先輩なのに何やってるんだ、俺


『美咲はさ、そんなコトに気を向けてる暇があったら、体を休めることも考えろ。俺らみたいなある意味体力勝負な部署ではそれも大事な仕事だからな。』

「・・・・・・・・ハイ。」

『あんまりシュンとするなよ・・・』

「・・・スミマセン、私、もしかしたら失礼なコトを聴いてしまったのかなって。」

『別に俺、怒ってないから。』

「・・・スミマセン・・・」


自分の彼女に対する返答に反省しながら
走り続けることをやめない美咲に助言することで俺は
医師の先輩としての役割を果たした

美咲にもそれが伝わった
そう思っていた


『さ、勉強・・・あ、もう休憩残り5分・・・縫合方法ぐらいは確認できるかな・・・』



この時、伶菜のことで頭の大半を占めていた俺は
イエローカードの存在が薄らいでいたことなんて
この時は自覚できていなかったんだ



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