ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Reina's eye ケース15:主治医との距離感
【Reina's eye ケース15:主治医との距離感】
祐希と一緒に昼寝をしようと横になったけれど眠れなかった私は
相変わらず小さなハーモニカとやや皺が寄り始めた婚姻届を右手で握り締めたまま、祐希の寝顔を見つめていた。
彼の昼寝中。
いつもならば、乾いた洗濯物をたたんだり、アイロンをかけたり、夕飯の下ごしらえをしたりと静かにバタバタしている私。
でも、怪我してる今はそんなことをできる状態ではないこともあって、普段はなかなかゆっくり見ることのできない彼の寝顔をじっくりと見つめることにした。
どんなコトがあっても
彼のかわいい寝顔は変わらないんだな
これも私のかけがえのない幸せのひとつ
大切にしなきゃ、ね・・・
コンコンッ!
今日2度目の病室のドアノックの音。
ナオフミさんが帰った後、看護師さんが何度かやってきたけれど、彼女らはノックせずに“高梨さん、失礼します!”と声をかけて入ってくれていたから、看護師さんではないだろうと予測した私。
だとしたら、ドアの向こう側に立っているのは
ナオフミさん?
それとも
森村医師?
どちらにせよ今の私は
どちらにもあまり顔を合わせたくない
ナオフミさんにはちょっぴりガッカリしている私だし
森村医師には、祐希に対する気遣いに対しどうお礼の気持ちを伝えたらいいのかわからない私だし
そんな気分・・・・
『・・・・ハイ。』