ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



さすがの伶菜も昨晩どうだったのか気がついたようで、今度は ”不覚です” と反省の色を見せる。

確かに昨晩から今朝までの生殺し状態に苦しんだ俺
だが、目の前でバスタオル1枚巻いた体で正座してそんなかわいい顔してガックリ肩を落とされると、それもいい想い出になるかも・・・なんて思ってしまう



それにこれからもずっと一緒にいるんだから

『ああ。でも、これが消える前にちゃんとお前から・・・昨日の続きをちゃんともらうから、今度こそ覚悟・・・な。』

慌てることなんかない
そうも思ってしまう

だから、彼女も起きたことだし、ゆっくり朝飯でも一緒に食べよう・・・そんなことを思っていた。


それなのに

『これが消える前の、これって?』

まだ昨晩自分が眠っている間に起こっていた出来事をなんとか把握しようとしている彼女。


”これ”

昨日、俺の生殺し状態を知らずにスヤスヤと、しかも入江さんという寝言まで口にしていた彼女に対する独占欲と隠し切れなかった本能の一部の塊を落とした証拠
イコール
彼女の鎖骨付近に俺が落としたキス


そんなこと、口に出してやれない

恥ずかしい
情けない
カッコ悪い
でも
唇を介して彼女の体温を感じ取ってココロが満たされた


そんなことも口に出してやれない俺は
知りたいと言いながらじっと俺を見つめる彼女の澄んだ瞳の引力によって

「こういうコト。」

やっぱり慌てふためく彼女がみたいと
しっかりと覚醒している彼女の鎖骨付近に再び唇を落とすという悪魔になった。






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