ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来





「・・・どうお礼をしたらなんて、そんなコトに気が遣うヒマがあったらリハビリに集中するんだな。縫った腱がくっついちゃいけないところに癒着しないようにね・・・」


『・・・・・・・・・』




これまた珍しく真面目な口ぶりでそう語りかけた森村医師に私は返す言葉が見つからなかった。



完全な肩透かし状態
オレ様なリアクションが返ってくるとばかり思っていたのに




「それと、あとひとつ、キミに忠告しておく。」

『・・・な、なんですか?』



肩透かしをくらっていた私は彼が今度は何を言い出すか検討がつかないこともあって必要以上に彼を警戒していた。




ふーっ・・・



そんな私の目の前で大きな溜息をひとつついた彼は
ゆっくりと口を開いた。







「・・・日詠さんはやめておけ・・・彼のコトを想うのはもう、やめておけ。」






静かな声でそう口にした彼の瞳は
今まで私は見たことがないくらい、真っ直ぐな瞳・・・・・だった。





どうして?



どうしてそんな瞳で

そんなコト、言うの?




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