ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
そんなコトを聴くなんて
どういうつもりだろう?
そんな疑問は愚問
祐希とナオフミさんが血縁関係にあるのかを確かめることでナオフミさんと私の関係を探ろうとしている
私達がより深い男女の関係であるかないのかを・・
きっとそうに違いない
彼女にしてみれば迂闊な発言だったかもしれないが
きっとそうに違いない
以前、私が感じた
<彼女は彼に、ナオフミさんに恋心を抱いている>
という第六感が事実ならば・・・
だから、こうやって投げられてしまった変化球は、投げ返す
『この子の父親と・・・お知り合いです?』
それが一番安心だ
「・・・いえ、あっ、そ、そうです。私の大学時代の同級生にひ、え、、樋枝・・っていう男性がいて、その人とお子さんの目元が凄く似てるな・・って・・・」
しどろもどろな口調でそう言った彼女。
私と目を合わそうとしない彼女。
いや、目を合わそうとしないんじゃない
合わせられないんだ・・・
『そうですか・・先生の同級生ってきっとお医者さんですよね?・・・この子の父親は生命保険会社勤務のサラリーマンなんですよ・・自分に似てる人は世の中に3人はいるって言うんですけど、その言い伝えって結構当たってるんですね♪』
私はこの場に及んでも軽い語り口調で
日詠医師との関係を口にしようとしない単なる通りすがりの一患者という立場を貫いた。
だって、ナオフミさんに恋心を抱いているかもしれない彼女と一緒に彼の話題に触れたくなかったから。
それぐらい私は彼を・・・兄でなくなった彼を
独り占めしたかったから。
そんなひとりよがりな想いを抱いていた私でも、祐希と血の繋がっている実の父親の職業を偽ろうとはしなかった。
汚いマネはしたくなかった
その一心で。
日詠尚史という優秀な手腕を有する医師が自分の手元に欲しいがために
そして
サラリーマンでは簡単に手にすることができないであろう500万円という多額のお金が欲しいがために
偽りの愛をちらつかせ、私とナオフミさんを引き離そうとする罠を仕掛けた三宅さんと康大クンのような汚いマネはしたくなかった。
それによって私は少なからず心に傷を負ったから。
美咲さんという人がたとえどんな人でも
私と同じような目にはあって欲しくなかったから。
だから、そんな私が投げ返した変化球はどうにも甘いものだった。
「そうですか、スミマセン。なんか失礼な質問しちゃって。」
そう謝罪の言葉を口にした彼女の表情は
私の気のせいかもしれないがホッとしているような気がした。
『いえ、とんでもないです。お医者さんに似ていると言われて光栄です!・・・ホラ、祐希、先生もお忙しいから、先生にバイバイして♪』
私は美咲さんとの会話をどこにでもありそうな世間話にまとめることで、ただの通りすがりの一患者という立場を最後まで貫き通した。
そんな私に対して美咲さんも
穏やか笑みを浮かべながら祐希に手を振り返し
「それでは、失礼します。」
私にも会釈をしてくれた。
その姿は以前、医局前で私に向けられたモノとは全く異なった・・・爽やかなモノだった。
私はその穏やかな笑顔に隠された彼女の真意にも
その場で気が付くことができていなかった。
森村医師の真意と同様に
彼女のその笑顔に隠されていた真意に気が付いたのも
もう少し後のコト・・・だった。
どういうつもりだろう?
そんな疑問は愚問
祐希とナオフミさんが血縁関係にあるのかを確かめることでナオフミさんと私の関係を探ろうとしている
私達がより深い男女の関係であるかないのかを・・
きっとそうに違いない
彼女にしてみれば迂闊な発言だったかもしれないが
きっとそうに違いない
以前、私が感じた
<彼女は彼に、ナオフミさんに恋心を抱いている>
という第六感が事実ならば・・・
だから、こうやって投げられてしまった変化球は、投げ返す
『この子の父親と・・・お知り合いです?』
それが一番安心だ
「・・・いえ、あっ、そ、そうです。私の大学時代の同級生にひ、え、、樋枝・・っていう男性がいて、その人とお子さんの目元が凄く似てるな・・って・・・」
しどろもどろな口調でそう言った彼女。
私と目を合わそうとしない彼女。
いや、目を合わそうとしないんじゃない
合わせられないんだ・・・
『そうですか・・先生の同級生ってきっとお医者さんですよね?・・・この子の父親は生命保険会社勤務のサラリーマンなんですよ・・自分に似てる人は世の中に3人はいるって言うんですけど、その言い伝えって結構当たってるんですね♪』
私はこの場に及んでも軽い語り口調で
日詠医師との関係を口にしようとしない単なる通りすがりの一患者という立場を貫いた。
だって、ナオフミさんに恋心を抱いているかもしれない彼女と一緒に彼の話題に触れたくなかったから。
それぐらい私は彼を・・・兄でなくなった彼を
独り占めしたかったから。
そんなひとりよがりな想いを抱いていた私でも、祐希と血の繋がっている実の父親の職業を偽ろうとはしなかった。
汚いマネはしたくなかった
その一心で。
日詠尚史という優秀な手腕を有する医師が自分の手元に欲しいがために
そして
サラリーマンでは簡単に手にすることができないであろう500万円という多額のお金が欲しいがために
偽りの愛をちらつかせ、私とナオフミさんを引き離そうとする罠を仕掛けた三宅さんと康大クンのような汚いマネはしたくなかった。
それによって私は少なからず心に傷を負ったから。
美咲さんという人がたとえどんな人でも
私と同じような目にはあって欲しくなかったから。
だから、そんな私が投げ返した変化球はどうにも甘いものだった。
「そうですか、スミマセン。なんか失礼な質問しちゃって。」
そう謝罪の言葉を口にした彼女の表情は
私の気のせいかもしれないがホッとしているような気がした。
『いえ、とんでもないです。お医者さんに似ていると言われて光栄です!・・・ホラ、祐希、先生もお忙しいから、先生にバイバイして♪』
私は美咲さんとの会話をどこにでもありそうな世間話にまとめることで、ただの通りすがりの一患者という立場を最後まで貫き通した。
そんな私に対して美咲さんも
穏やか笑みを浮かべながら祐希に手を振り返し
「それでは、失礼します。」
私にも会釈をしてくれた。
その姿は以前、医局前で私に向けられたモノとは全く異なった・・・爽やかなモノだった。
私はその穏やかな笑顔に隠された彼女の真意にも
その場で気が付くことができていなかった。
森村医師の真意と同様に
彼女のその笑顔に隠されていた真意に気が付いたのも
もう少し後のコト・・・だった。