ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



「やっぱり、何かあっただろ?」




彼は持っていたマグカップと苺大福が入っているらしい紙袋を照頭台の上に置きながら、彼とまともに顔を合わせられずにいた私にいつもよりももっと低い声で問いかけた。

私は顔を逸らしたままではいられずにベッドの端に腰掛けたまま彼の顔を見上げる。
そんな私をじっと見つめる彼。
簡単には逃れられないような鋭い目付きで。




でも、何があったかなんて言えない

だって、それを口にしたら
彼と私の間に目には見えない溝ができてしまいそうで



『えっ?なーにもないよ♪気のせい、気のせい♪』



私はヘラリと笑いながら彼の問いかけに対して軽く否定してみせた。






フーッ・・・・




「伶菜。俺は2回も騙されないから、ちゃんと言えな。」



大きな溜息の後に続いた相変わらずの低い声。
その声に確実に自分が追い込まれている気がした私。



2回も騙されないからって

確か1回目っていうのは・・・
レーズンバターサンドクッキーを差し入れしてくれた時に

“何かあった?リハビリで”

って聞いてくれたっけ?



あの時はリハビリがちゃんとできるか不安で、彼に傍にいて欲しいとか思ったりもした
けれども、彼に心配をかけてはいけないという想いが強く働いて、居眠りしててボーとしてたみたいな言い訳をしてその場を切り抜けたと思っていたけれど


全然、切り抜けきれていなかったんだ・・・



『・・・・・・・・・』


私は絶句するしかなかった。


「俺を騙し通せると思うワケ?」


壁にもたれながら腕組みをし、やや冷たい口調で更に私を追い詰めた彼。

もちろん笑ってなんかいない。


追い詰められた私はついつい頬が引きつってしまって


『・・いい、え・・・』


ワタシ、ついつい否定しちゃった

というコトは
とうとう本当のコトを言わなきゃいけない?!


どうしよう・・・・







コツン!



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