ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
彼は鼻先で軽く笑った直後、少し躊躇いながらその名前を口にした。
というか
みかん大福好きって
結構ドジって
しかも、レイって
もしかして、その猫って私のコト?
彼女の誘いを断るために
私を猫に置き換えたの・・・?
「日詠先生ってば、そんなに顔、真っ赤になっちゃって・・なんかイメージ狂う!!!!あっ、いい意味でですよ♪それにしてもセンセ、本当にそのレイちゃんって猫、お好きなんですねー」
「・・・・・・・・」
彼女に顔が真っ赤だと言われたナオフミさんはその時何も言葉を発しなかった。
彼の後ろにいた私はそんな彼の顔を見ることができなかったけれど、きっと照れくさそうな顔をしていたのはなんとなく想像ついた。
「また今度、レイちゃんに会わせて下さいね♪」
「・・・ああ、そのうちに。」
ナオフミさんの猫飼ってる発言を信じてしまったらしい彼女の相変わらず嬉しそうな声になんだか歯切れの悪いナオフミさんの返事。
「約束ですよ♪・・・じゃ、私、検温最中なので失礼します。」
「・・・ああ・・・」
そのやりとりは彼女が病室を後にするまで続いていた。
看護師さん
自ら誘った食事を断られたはずなのに、なんだか嬉しそうだったな
それに気まずい雰囲気なんて微塵も感じられなかった
恐るべし、日詠尚史・・・
彼を慕っている女性からのお誘いに
いつもこんな感じでお断りしているのかな?
お断りしてくれるのは
ウレシイけれど
私が猫という存在に置き換えられてお断りの理由にされてるのは
ウレシイとは言い切れないというか
やっぱりハッキリと私の存在を示して欲しいというか
ちょっと微妙・・
そういえば
『もしかして、猫、本当に飼ってるの?レイちゃんだっけ?』
看護師さんがいなくなり姿を隠す必要がなくなった私は繋がっている手をグイグイと引っ張りながら彼の前に身を乗り出した。
看護師さんからのお誘いにお断りをしたはずなのに
真っ赤になってると言われた彼がどんな表情をしているか自分の目でも確認するために。
「・・・どうか、な・・・」