ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
ずっと想いを寄せていた女性が偶然、患者さんになっただけ
この状況で出てきたその言葉
それはきっと私のコトを言っている
今までのオレ様な彼を知っている私には信じられないその言葉
そしてその言葉に戸惑わずにはいられない
そこに彼の真意がちゃんと存在するのかわからないけれど
それでも
“ないものねだり”な私のココロをいとも簡単に満たしてくれてしまったのだから
一人の恋愛対象としての私の存在を
他人の前、しかも上司の前で
いとも簡単に認めてしまったのだから・・・・
戸惑いながらも
満たされてしまった私のココロが行き着くところは
ただひとつ
医師の立場を追われるかもしれないリスクを犯してまで自分の考えを述べた目の前にいる彼の立場がどうなるかという心配
今は、ただそれだけ・・・・
私にとってかけがえのない恋人が
今、どういう状況にあっても
今の私はそれだけしか考えられない・・・
「・・・森村クン、詳しい事情はわからないが、つまらないコトがきっかけでキミを辞めさせるようなコトはしたくないんだ・・・・・優秀な手の外科医師のキミは将来的には産科の日詠クンと共にこの病院を背負って立つ人材だからね。」
彼に抱きしめられたままでいる私には
副院長という人の表情を窺うことはできなかったが
明らかに怒りを押し殺しているような声色で
彼にそう語りかけていた。
“仕方なく認めざるを得ない”
そういう態度もその声色から随所に漏れ出ていたように思われた。
「そうおっしゃって頂けて光栄です。」
「だから、患者さんや病院職員に誤解を招くような行動は慎むように。」
「ええ、気を付けます。いえ、頑張ります・・・・が適切かもしれませんね。このコトが誤解ではなくなるように・・・」
「・・・・あっ、ああ・・・じゃあ、私はこれで。」