ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


至って涼しげな様相で、いつもの“オレ様森村”を見せつけた彼は
そう言いながら私のカラダに絡みつけていた腕をようやく解いてくれた。



「それにふるえてるヒマなんてないぞ!祐希クンだっけ?彼、昼寝から起きたみたいで病室で泣いてたんだから・・・」

『あっ、アタシ・・・』

「取りあえず保育士の伊藤先生に預かって貰ってるから、急げ!」




彼のその言葉を聞いて、私は慌てた。

祐希が昼寝をしているスキにこっそりと病室をナースステーションにバインダーを届けに行ってすぐに戻るはずだったから。



なのに
こんなコトになってしまって



ナオフミさんが美咲さんを抱きしめて

そして

私が森村医師に抱きしめられて・・・・



しかも森村医師は他人の前で

私が恋愛対象であることを認めちゃったりして

それなのに彼は冷静なままだったりして・・・





こんなことになってしまって

こんなにも私はグラグラと揺れているのに
なんで彼はそんなに冷静でいられるのか




本当にワカラナイ・・・



もう頭の中がショート寸前な状態だけど
でも、そうは言ってはいられない



だって私は・・・祐希の母親

頭の中がそのままショートしてしまっても
彼の母親は自分であるという事実は変わらない



だから


『は、、ハイ!!!!』




私は戸惑っている自分のココロを置き去りにしながら走り出そうとした。

やや薄暗い医局前の廊下を。

自分にとってかけがえのない息子を迎えに行くために。










グイッ!




『えっ?!』




瞬時に我に戻り、祐希の元へ急ごうと走り始めようとした瞬間、またまた私のカラダは身動きができなくなった。

またまた彼の腕が私のカラダにより強く絡みついてしまったから。






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