ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Reina's eye ケース21:私が知らなかった出逢い
【Reina's eye ケース21:私が知らなかった出逢い】
夜、眠れずに廊下を歩いていた私を呼びとめて、傷の処置をしてくれている際に森村医師が私に語り掛けてくれたこと。
「・・・・オレがさ、キミに初めてお目にかかったのは、キミが左手を怪我して救急外来にやってきた時でもなければ、その前に医局付近でぶつかった時でもないんだ・・」
私と一緒に浜松にいたナオフミさんが早朝、病院に呼び出された日
その日の夕方、私はお弁当を医局まで届けた
その時、ナオフミさんと美咲さんは急いで病棟に向かってしまい
その直後、私、森村医師に偶然ぶつかってしまった時
私、その時に初めて森村医師に
出くわしたと思ってた
でも、そうじゃなければ
『・・・・・・・・・』
いつ?
「全く覚えがないみたいだね、名古屋駅から徒歩5分の居酒屋“やきや亭”って言えば、想い出すかな・・・酔っ払いのレイナさんは・・・」
『・・・やきや、亭・・・?!』
名古屋駅から徒歩5分の居酒屋“やきや亭”
そこはやや照明が暗めで店内をダークブラウンカラーで統一され落ち着いた雰囲気のオシャレな居酒屋さん
しかも比較的リーズナブルな価格にて名古屋風創作料理を提供してくれることもあって
学生や若いサラリーマン達で店内はごった返していた場所。
祐希が産まれてから、いや、彼がお腹の中にいるとわかってからはそこに足を踏み入れた覚えがなかった。
だって妊娠中、そして授乳中はアルコールは胎児に悪影響を及ぼす恐れがあると言われているから
産むと決めた私は
そういう場所には立ち入る余裕なんてまったくなかったし
あれ・・?
でも、祐希がお腹の中にいるとわかってから
そこに行ってないとすると・・・
私、もしかして
「そ、やきや亭で、“名物味噌かつピザに、どて煮トーッピング、トッピング!アツアツでね♪”って叫んでたでしょ?」