ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
ピンセットで摘んだ真新しいガーゼを傷口に軽く当てながらやや低い声で静かにそう呟いた森村医師。
いつもの、調子のいい彼の口ぶりは完全に影を潜めていた。
「オレ、あの時・・・キミ達がいた斜め向かいのテーブルで研修医の同期達と研修頑張ろう飲み会をしてたんだけどさ。」
『・・・・・・』
「そう。危なっかしい飲み方をさせられていたキミの動向が気になって、真っ青な顔してトイレのほうへ向かったキミを追いかけたんだ。」
『・・・同期達と、飲み会・・?』
研修医の同期達と研修頑張ろう飲み会をしてたって
森村医師は康大クンの知り合いでもなく
一緒に合コンしていた訳でもなかったってコト・・?
しかも真っ青な顔してトイレへ向かったキミを追いかけたって
「ああ、オレが・・・キミを最後までちゃんと介抱してやるべきだった。」
最後までちゃんと介抱してやるべきだったって
ワタシ
もしかして勘違いしてた、の・・・・?
あの日
やきや亭で行われた合コンで
康大クンじゃない男の人2人に勧められるがままお酒を飲んで
気分が悪くなってトイレへ駆け込もうとした途中に吐きたくなって
でも、それができないぐらい息苦しくなって
そうしていたら、突然誰かに口の中に手を思いっきり突っ込まれて嘔吐してしまった
そこまではなんとか覚えてた
でも、それから暫く記憶がなくて
ようやく気がついた時には
ワタシ
康大クンのマンションのベッドの中で
優しく微笑む彼に抱きしめられていた
お互いに何も身につけていない状態で・・・