ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
Reina's eye ケース24:宣戦布告のち・・・



【Reina's eye ケース24:宣戦布告のち・・・】





真夜中の処置室からナオフミさんが姿を消してから1週間。
リハビリが終わった直後で、ひと息つきながら祐希を預かってもらっている小児科病棟へ向かおうとしていた矢先だった。


声をかけてきたその人と向かい合わせになった私。


リハビリスタッフだけでなく、いつも一緒の時間帯にリハビリをやっている厳つい顔のおじさんこと中根さんまでもが声をかけることなく不思議そうな顔をしながら私達の横を通り過ぎて行った。



そりゃあ、そうだ。


普段ここでは見かけない白衣姿の女医さんと私が
顔を向かい合わせていたんだから。




『・・・・・・・』



ついこの間、売店で鉢合わせになった時はなんとなくオドオドとした様子だったのに
今日はハキハキとした口調で声をかけてきた彼女に対し・・・・・私は言葉を失った。



そう

だってその人は
美咲さんだったから・・・・










「お忙しいところスミマセン・・・・ここでお話するのもなんですから、こちらへお願いできますか?」



右手でリハビリルームの裏側のほうを指し示しながらそう促した彼女。

私の返答を待つことなく、彼女は指し示すほうへ歩を進め、私は彼女の後ろをやや早足でついていくしかなかった。
そして彼女はリハビリスタッフルームへ繋がる薄暗い廊下の真ん中辺りで突然立ち止まり、私をじっと見つめた。


その瞳は、かなり強い光を放っているように思えて仕方がない。
人の瞳から強い光なんか出るはずもないのに。

それぐらい彼女の瞳は目力に溢れていた。





「あの、お時間をとらせてしまっても申し訳ないので、手短かにお話しさせていただきます。」


彼女の・・変わることのない口調。


『・・・・・・・・・・・』


私の・・変わることのない無反応。
だって完全に彼女のペースにのまれてしまっていたから。



そして彼女は容赦なく言葉を紡ぎ続けた。
私の無反応なんかに構うことなく。







「私、日詠先生のコト・・・憧れの先輩医師という存在だけじゃなく、彼のコトが・・・スキです。」


『・・・・・・・・・・・』








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