ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



医学用語なんてさっぱりわからない私でも
なんとなく聞き覚えのある言葉達


それはリハビリを行う上で
森村医師やリハビリ担当の松浦先生がよく口にする言葉達


それを産科医師のナオフミさんの口からも耳にするなんて

ナオフミさん
整形外科という彼の専門の科以外でも
ちゃんと勉強してるんだ

そりゃ、、そうだよね
離島の診療所のお医者さんは
どんな患者さんでも診なきゃいけないらしいし・・・





「最大限の努力って言ったって、高梨さんの手指を動かす日詠さんの手の力加減が間違えば、縫合した屈筋腱は再度断裂しますよ・・・・こうやってね。」









プツッ!!!







森村医師によって彼の白衣の名札にひっかかっていた輪ゴムが取り外され、そして両手で思いっきり引っ張られたそれは小さな音を立てながら切れてしまい一瞬で彼の右手の中へ消えた。



あっという間の出来事だったけれど
目の前で繰り広げられた腱の断裂シュミレーションによって
”もしかしたら自分の指の中でもこんなコトが起こってしまうかも”と想像してしまい私の両腕にはうっすらと鳥肌が立ってしまった。



もし実際に縫い合わせた腱が切れてしまったら

私のここまでの努力

それだけじゃなくて

手術で縫い合わせてくれた森村医師の努力
慎重にリハビリを進めてくれている松浦先生の努力
リハビリを行っている最中に祐希を預かってくれている保育士の伊藤先生の努力


それら全ての努力が
水の泡になっちゃう・・・・


いくらナオフミさんが森村医師と同じ医師という立場でも、普段の彼はほとんど関わることがないであろうリハビリ。

それにおいて彼が腱の再断裂というアクシデントを引き起こすことも充分ありうるんだ


そう
腱の再断裂というアクシデント

それは、全ての努力が水の泡・・・・・




そんなリスクを冒してまでナオフミさんはなぜ私を
今というタイミングで連れ出そうとするの?






「それでも日詠さんは高梨さんをここから連れ出そうとするんですか?」





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