ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



腱の断裂シュミレーションに留まらず、言葉によってもナオフミさんに追い討ちをかけた森村医師の一言に、私までもが追い詰められているような気がした。


彼に・・ナオフミさんについて行ってはいけない
そう追い詰められている気が。





「ああ。」




間接的にであるけれど、私がこんなにも追い詰められていたのに
森村医師によって直接的に追い詰められているナオフミさんはなんの躊躇いもなくそう答えた。




「そんなコトをしてもし屈筋腱が切れたら、困るのは彼女なんじゃないですか?」

「彼女を困らせるようなコトにはしない」



眉間にくっきりと深い皺を刻みながらないナオフミさんを追い詰める森村医師。

それに対して
相変わらず躊躇う様子を見せないナオフミさん。






いつもの彼は、口下手で言葉を濁すことが多いのに・・・

ナオフミさん、一体
どうしちゃったの?





「彼女のやってるリハビリはそんなに簡単にはできるモンじゃないですよ!アナタの勝手な都合で彼女を振り回すのなら、僕は彼女の退院許可は出せな」


「森村センセ?こんなコト、僕が言ってもいいかわからないですけど、日詠先生のリハビリ手技なら、なんら心配はいらなさそうですよ!」




いつものおちゃらけた口ぶりとは程遠いといってもいいぐらい強い口調で主治医としての適切な判断をナオフミさんに突きつけようとしていた森村医師。

その彼の言葉を途中で遮るような真似をしたのは意外にも・・・リハビリ担当の松浦先生だった。



< 339 / 542 >

この作品をシェア

pagetop