ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来

孤軍奮闘状態だった俺を
ここ最近すぐ傍で見守ってくれていたリハビリスタッフの松浦さんのこの一言は
俺の悪あがきが無駄にならないことを改めて教えてくれた気がした。


しかも、松浦さんは俺の悪あがきを周囲の人にわかりやすく伝えてくれることまでしている。
彼にはどうやら俺が周囲の人間に理解する努力をしない人間であることも見透かされていたようで。


彼のその気遣いによって伝えられた俺の悪あがきは
俺の想いを知りたがっていた美咲にも
俺は伶菜のことを想ってずっと動いていたという事実が伝わったようで。
俺のハードワークにも気が付いた彼女に、どこにそんな余裕があるのかとまで問われた。


『余裕なんて全然ナイさ。・・・どうやったら彼女・・・伶菜をちゃんと大切にしてやれるんだろうかってな。』


美咲はわかってくれる
きっとわかってくれている
俺の想いがどこに向いているのかを


だからもう黙って伶菜を優先しなくてもいい
はっきりと言葉にして伶菜を優先しなくてはならない
美咲のためにも


そして
誤魔化したりすることなく
ちゃんと顔を見て
ちゃんとわかりやすい言葉で
伶菜に伝えてやらなくてはならない




『俺はお前が・・・伶菜のコトだけがスキだから・・・』







伶菜のために

そう思った。



< 354 / 542 >

この作品をシェア

pagetop