ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来

軽い口調で畳み掛けてくると思ったのに全然そんなんじゃなくて、いつもの低くて穏やかな彼らしい口調。

頑張れそうにない
お前の香り、流しちゃったらだなんて
ちょっぴりエッチな弱気発言とか
こういう彼、珍しい


会社の上司とかにそういう言葉を投げかけられたら、ついセクハラ扱いしちゃいそうなのに
この人が言うと、なんでだろう?
なんだか甘く聞こえちゃう

その言葉
私の体に心にすうっとしみこんで来ちゃってる

そんな言葉を投げかけた彼に私
どう反応したらいいのかな?


「顔、真っ赤だぞ・・・」

『だって、だって、お兄ちゃんが・・・ンんんん!』

私は真っ赤という言葉につい反応してしまい、彼のほうを向いてしまう。


その結果
またまた彼に唇を塞がれた。


「今の、アヒル顔、見たから、俺、頑張れるかもな~」

病院の診察室とかで見せるクールな一面の彼とは別人のような、
軽くそしてちょっぴりイジワルな口調で私にそう語りかけた彼。


『イジワルッ!!!!!』


やっぱりからかわれてしまった上に真っ赤な顔のままの私に
彼はようやく、時々しか見せてくれないけれど、彼らしい屈託のない少年のような笑顔を見せてくれた。

よかった、私の大好きな彼の笑顔
・・・見れた!!!!



「なあ・・・」

『えっ?』

「本当に行ってもいい・・・か?」

そう声をかけてきた彼の口調からは迷いというものはもう感じられない。


多分、私の ”大丈夫” という言葉を信じてくれたんだ

でも、こうやって私の意思を確認してくれるのは、まだ彼の中に私のことが心配という気持ちが残っているからかもしれない

本当は一緒にいたい
でも、一緒にいられるのは、今だけじゃない
これからもずっと一緒にいられるから
だから私は大丈夫


『ラジャ♪』


私だってもう迷いはない
だってアナタのあの笑顔を見ることができたから
だから、アナタが私のところへちゃんと帰ってきてくれるって
信じられるから




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