ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
この人、美咲さんをココまで強引に引っ張ってきたのは

もしかして
彼女に、医師としての自信を取り戻させてあげるためだったのかな?

私達をただ追いかけてきたのではなく
彼女のために、美咲さんのために・・・・


「あっ、そうだ、高梨さん。」


森村先生は2,3歩歩いたところで急に歩みを止め
そして再び振り返り、やや引き締まった声で私の名を呼んだ。

“高梨さん”・・・と・・・・


彼からの私へのメッセージはもう
終わったと思ってたのに

高梨さんなんて
そんな改まった呼び方をするなんて

いったい、なんだろう?



「退院して落ち着いたら、ちゃんと外来診察、来るように!!!まだ、治療途中だから。」




そう口にした彼は今度はキリリとした精悍な顔をしていた。


この人はどれだけ
いろんな顔を見せたらすむんだろう?


ライバル視していたと思われるナオフミさんのコトをカッコいいと認めてしまう潔さ

美咲さんをココまで半ば強引に引っ張ってきてまで彼女に医師としての自信を持たせてあげるように仕向けたキメ細やかな心遣い

そして

ナオフミさんと一緒に彼から逃れようとしていた私の主治医でい続けてくれる大人な態度




なんでそんなにアナタは
強くいられるの?


そんなにも
強くいられるアナタに


一人の人間として

一人の大人として

一人の職業人として

アナタに憧れそうです、ワタシ

こんな人にも
自分のことを大切に想っていてもらえたなんて


ワタシ

この人とも出逢えてよかった





『あの・・・ありがとうございます!!!!』



私は森村医師に初めて
ココロからお礼を言うことができた。

いや、お礼を言わずにはいられなかった

本当ならば彼の気持ちに応えることができずに
これから先、彼に対する後ろめたさをずっと抱いたまま前に進まなきゃいけないハズだったから


こういう前向きな気持ちになれたから
だから彼にお礼を言わずにはいられなかったんだ・・・






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