ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


相変わらずナオフミさんと手を繋いだまま
自分の名前を呼ばれた私。

やや震えが感じられるその声がするほうへ
今度はそちらのほうへ目を向けた。




それでも手を離そうとしないナオフミさん。

彼にスキだという想いを打ち明けた相手の目の前でも。


そこまでして私を繋ぎとめておきたいぐらい

ナオフミさんの“一緒に行こう”という気持ちは固いことをこの時、私は改めて感じた。




ナオフミさんのワタシに対する固い気持ちは嬉しい

でも、彼を追いかけてきた彼女はまだそこにいる

しかも

彼女は彼の名を呼ぶことなく
ワタシの名を呼んでいる


このままナオフミさんと共に再び歩みを進めるのか

それとも

彼女が呼ぶ声に応じるのか


さっきはナオフミさんと森村医師の間だっかけど

今度はこの2人の間で

板ばさみ状態?!


もしかしたら
ワタシの動き次第で

彼女の未来まで変えてしまうかもしれない


もしかしたら
ワタシの動き次第で

彼女を再びあの屋上に向かわせてしまうまで
追い込んでしまうかもしれない

ワタシがこのままナオフミさんに導かれるがまま
再び歩みを進め始めたら

今度は仕事上でのトラブルではなく

好意を寄せている男性への想いが叶わなかったという
恋愛上での喪失感によって

彼女を追い込んでしまうかもしれない





どうしようと迷いたいところだけど

彼女をそこまで追い込んでまで
ナオフミさんと一緒に前へは進めない



だからワタシは決めた。

自分の名を呼ぶ彼女へ




『ハイ・・・。』



ナオフミさんの様子を窺うことなく
ちゃんと面を向かい合わせて彼女に応じることを。

この後、彼女とワタシに未来がどう転がっても
自分で決めたこの行動に対して絶対に後悔しないと
自分に言い聞かせながら。



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