ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
それでも、妊婦達も自分と胎児の命がかかっている状況
しかも、この病院は開業医から紹介されるハイリスク妊婦が多い
すんなりと理解してもらえるなんて思っていない
『これから未来を共に歩んで行きたいと思っている彼女に、多忙とかを理由にして今までロクに何もしてやれませんでした。彼女は文句とかいっさい口にしなかったけれど・・・でもきっと僕は彼女を不安にさせてしまっていたと思うから・・・・だから・・・・今こそ、今度こそ』
それに私的なことを伝えたところで
納得してもらえるとも思っていない
伶菜だって、彼女の性格を考えれば
妊婦の皆さんに迷惑をかけてまで今、俺がここを離れることを賛成するとは思わない
現に、ダメだよと伶菜から制止された
けれども、俺は必ずここに戻ってくる
伶菜とのこれからにちゃんと道筋を立ててから
それを今しなければ
伶菜と俺は本当にダメになる
だから、
『俺に、3日だけ時間を下さい。』
妊婦の皆さんに頭を下げた。
心配そうに自分を見つめる伶菜の手をぐっと握ることで大丈夫だということを伝えながら
「日詠先生!!!・・・・・私達をなんだと思っているんですか?」
批判、誹謗中傷、罵声
なんでも受ける
それで気が済むのならいくらでも
俺はそれを覚悟して奥歯をきゅっと軽く噛みながらも、まっすぐに前を向き
彼女達から発せられる言葉に耳を傾けた。