ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
真っ青の空の下
私は彼に更に強く抱きしめられた。
「ほら、もうそれ以上何も言うな。」
泣いちゃダメだってわかっているのに
もう自分の涙腺を自分でコントロールできなくなっていた。
「ほら、もう泣くなって。俺も・・・お前に心配かけないようにしっかりしなきゃな・・・」
そんな状態だったのに
彼は私を抱きしめていた腕をおもむろに解き、
涙でぐちゃぐちゃになった私の頬を
彼の親指でそっと撫でてくれた。
そして彼は座っていたベンチから立ち上がり
私に背を向け
私をその場に残したまま歩き始めてしまった。
さよなら・・とか
元気でな・・とか
カラダに気をつけろ・・とか
そういう別れの言葉を
何ひとつかけてくれないまま
彼は歩き始めてしまった。
私に背を向けて。
その後ろ姿を
私は見つめることができず
ただベンチに座ったまま俯くことしかできなかった。
マッテ
イカナイデ・・・
ワタシヲ
オイテイカナイ、デ・・・・・
そう言いたくても
声に出せなかった。
彼から離れることにしたのは
自分が決めたコトだから。
だから
自分のココロの中だけで
そう叫ぶことにした。
けれども・・・
“伶菜・・・・”
『えっ?』