ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
自分の名前を呼ばれた気がして
私は咄嗟に顔を上げ、彼が歩いて行ったほうを見てしまった。
でも彼は私に背を向けたままで。
『気のせいだったんだ・・・』
かすかな声でそう呟いた瞬間
偶然にも彼はこちらを振り向き
そして口を小さく開いた。
“レ、、、イ、、、、ナ・・・”
『えっ?何?』
読唇術なんでできない私は
立ち上がって目をしかめながら
彼の唇の動きを必死に追った。
“ア”
“イ”
『なに・・・なんて言ってるの?』
つい彼に向かって大声でそう叫んだ私。
“シ”
『ちゃんと声、、、出してよぉ』
すがるように更にそう叫んだ私。
「・・・・てる。」
ようやく声を出してくれた彼は
私が一番スキな彼らしい柔らかい微笑みを見せてくれた直後
再び私に背を向けて屋上を後にしてしまった。
いかにも口数が少ない彼らしい
私への謎のメッセージを残したまま・・・・