ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来

Hiei's eye 26：キミは僕の希望

【Hiei's eye 26：キミは僕の希望】





『伶菜、お前、やりたいコトがみつかった・・・そうなんだろう？』


伶菜が俺に言ってなかったことがあると言った時に感じた胸騒ぎ


その先に頭の中に想い浮かんだのは
先日、小児科のプレイルーム前で立ったまま中の様子をじっと見ていた伶菜の横顔


俺は伶菜の色々な顔を知っている

なにもかも諦めたようだった、偶然再会した時の顔
胎児だった祐希と一緒に生きていこうと決意した時にみせた母親の顔
祐希の退院を機に東京まで迎えに行った時の驚いた顔
俺に結婚を迫っていた三宅や先輩医師の奥野さんに遠慮した時に見せた申し訳なさそうな顔
大好物のスイーツを見せた時の嬉しそうな顔
初めてのふたりきりの、駆け落ちまがいのドライブの際、遠州灘に繋がるトンネルを通り抜けた時の、爽快感プラスアルファではしゃぐ顔
そして
ふたりきりのチャペルでの挙式で見せた、穏やかで幸せそうな顔




そんな俺が初めて見た
彼女の何かを掴もうとしている彼女の横顔を
気のせいだとどこかへ追いやることなんてできなかった