ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


『じゃあ、見合い写真!』


「見合いはしない。」


『もういい年だろ?年貢、納めなきゃ・・・』


「ないな・・・結婚もしない。」


『え~、結婚諦めるにはまだ早いんじゃね?』


「諦めてはいない。」




ネギマ串片手に
レイナに捨てられた男が
・・・見合いはしない
・・・結婚はしない
と言い放った

諦めてはいない・・とも


見合い、結婚ともしないと言い切りながら
諦めてはいないっておかしくないか?


どういうことだ?と聴こうと思った俺。
食べ終わったネギマの串を串入れ缶に挿し込もうとしている彼のほうを向いたら、
彼は小さく微笑みながらゆっくりと口を開いた。


「これからの、未来の・・キミはオレの希望・・・だからな。」


さっきまで地獄に落ちてしまったようだった彼の・・・ふと見せた優しい微笑みをも見たことがなかった俺は驚きすぎて、彼の矛盾している言葉の意味を聴くことができなかった。


しかし、彼のその微笑みの本当の意味を知ったのは
もうずっと後のこと。


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