ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来


ナオフミさん


今もなお

彼が必要とされているあの場所で
手術着に白衣を羽織って
パタパタと足音をたてながら
産科病棟を行ったり来たりしているのかな?



相変わらず産科病棟の廊下のベンチに腰掛けながら
妊婦さん達の悩みに耳を傾けているのかな?


メロンパンばっかり食べてないで
ちゃんとゴハン食べているのかな?


デスクに伏せたまま居眠りじゃなくて
せめて医局とかのソファーで横になって休んでいるのかな?





自分の目で
今のナオフミさんの様子を確認したい・・・






やだ・・・

ワタシ


ナオフミさんのコト

全然過去じゃない









この病院に就職したという現実が
すぐ目の前にあるのに


ココロのどこかで

お父さんとお母さんみたいに

・・・・妊婦さん、そして生まれてきた子供とそのお母さんを支えてきた

・・・・産科医師だったお父さんと小児科病棟保育士だったお母さんみたいに

あの場所で

ナオフミさんにとってかけがえのないあの病院で
彼と一緒に大切な命を助け、そして支えたい


そう想ってた




でもそれは

ワタシのそんな夢は

あの時、

・・・3年前のあの時、ナオフミさんの手を掴もうとしなかった自分が

自分の手で潰してしなった夢にすぎない


だからもう
彼とワタシの関係は
過去のコトなんだから・・・・


だからワタシは
今、目の前に拓かれた自分の道をただ進めばいい



ただそれだけ











「・・ったく、いきなり院長室から消えたと思ったらやっぱりココだったんだな・・緊急コール用の携帯ぐらい自分で持ってけって。・・・・整形外科のナースが大騒ぎしてたぞ。」




・・・・えっ?



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